かしわばやしの、その前で、変な画かきにえり首をつかまれた清作は、「赤いしゃっぽのカンカラカンのカアン。」とどなりました。
するとその画かきは、まるで咆えるような声で笑いだしていいました。
「どうです、すこし林のなかをあるこうじゃありませんか。」
――柏の木大王やふくろうの大将、素敵な賞品メタルも並び、はやしの中でくりひろげられる、おかしく楽しく不思議なひと時。
かしわばやしの中でくりひろげられる物語はあたかもオペレッタの舞台のよう。
さまざまな表現で絵本を描いてきた中野真典が、奥行きのある立体に挑んだ圧巻の作品。
それはまさに「舞台」そのものです。
光や霧など多彩な演出をほどこしての撮影を通して、ようやく一冊の絵本になった林の中へ、あなたも足を踏み入れて、楽しく不思議なひとときに参加してください。
【プロフィール】
絵●中野真典(なかの・まさのり)
1975年、兵庫県小野市生まれ。画家、絵本作家。
大阪芸術大学卒業。在学中より障害児の学童保育で働き、卒業後保育士となる。
子どもたちとすごした時間、シベリア鉄道でのチェコへの旅、ダンサーをはじめとしたさまざまな表現者と寝食をともにした若い日々の経験をベースに、目の前のもの、そこにある現象を体を通して描く。
主な絵本に『おもいで』(作・内田麟太郎)『おはなしトンネル』(ともにイースト・プレス)、『りんごちゃん』(BL出版)、『かかしのしきしゃ』(理論社)、『えほん遠野物語 おいぬさま』(原作・柳田国男 文・京極夏彦/汐文社)、『ミツ』(佼成出版社)、『ゆめ』(講談社)、高山なおみとの共著に『どもるどだっく』(ブロンズ新社)、『それからそれから』(リトルモア)、『みどりのあらし』(岩崎書店)などがある。
●使用画材:アクリル絵具、顔料、墨汁/段ボール
【発行日】2023年10月17日
- 商品番号
- 17-1151-497(ISBN978-4-89588-151-7)
- 作
- 宮沢賢治(みやざわ けんじ)
- 絵
- 中野真典(なかの まさのり)
- ページ数
- 40P
- サイズ
- 26×25cm
- カバー
- ハードカバー
- 対象年齢
- 6歳から
- 生産国
- 日本
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